ノブレス・オブリージュ


 一般的に財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことを指す、「特権的な地位には相応の義務が伴う」という倫理。富裕者、有名人、権力者が社会の模範となるように振る舞うべきだという社会的責任に関しても用いられる。

 旧くから、王侯貴族など特権的な地位にあるものは、相応の義務(経済的な支出、役務の提供、戦争への志願など)を自発的に果たすことが慣習的に求められている。

 具体的な行動の例としては、戦争においてイギリス貴族の子弟が積極的に従軍し、最前線で戦ったことが挙げられる。その結果として従軍したイギリス貴族の死亡率が高く、貴族階級衰退の原因ともなった。

 「ノブレス・オブリージュ」の核心は、貴族に自発的な無私の行動を促す明文化されない社会の心理である。それは基本的には、心理的な自負・自尊であるが、それを外形的な義務として受け止めると、社会的圧力であるとも見なされる。法的な義務ではないため、これを為さなかった事による法律上の処罰はないが、社会的批判・指弾を受ける。

 現代においては、裕福な人物や著名人がボランティア活動(大災害の際に自腹を切って多額の義援金を送り、また救援物資を手配したり)をする事は当然とされ、しない方が特異視されやすい。これは企業の社会的責任遂行(所謂CSR)にも通じる考え方である。

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